東京個別指導学院-コノ塾の比較
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当サイトのアクセス分析をしたところ「東京個別指導学院 コノ塾 比較」というワードがけっこう検索されているようなので今回はこの2つの塾を比較分析してみます。
なお、本稿は「高校受験をする予定の中学1~3年生」を想定して各塾を比較しています。
概略
最初に結論から述べると、東京個別指導学院とコノ塾は全く異なるタイプの塾になります。
塾名 | 指導形式 | 価格帯 |
---|
東京個別指導学院 | 個別指導 最大1:2 | 高価格帯 |
コノ塾 | 映像学習 個別フォロー | 低価格帯 |
東京個別指導学院
・最大1:2までの個別指導
・高価格帯
・ベネッセグループのブランド力
・環境面含めた質の高いサービス
コノ塾
・映像授業+1対他人数の個別対応
→タブレットを使用した自立型学習塾というイメージ
・低価格帯
・公立高校中堅~上位校志望者向け
「東京個別指導学院 コノ塾 比較」でそれなりに検索されているのですが、率直に言えば比較対象にあまりならないほど方向性の異なる塾です。
比較
たとえば「授業料は月3万円で5科目勉強でき、マンツーマン1:1で細かく見てくれるところ」みたいな塾があればいいのですが…現実には存在しません。
なので、塾を探す際にはまずは各ご家庭で何を大事にするのか優先順位を明確にしておきましょう。
- 授業料
-
コノ塾。3万円で5科目勉強できる。
対して東京個別だと2科目で3万円を優に超える。
- 苦手科目の克服
-
東京個別指導学院で細かく子どもの状況に合わせて指導してもらうほうがよい。
コノ塾は映像+自立型なので、ある程度学力がある子向けで勉強が本当に苦手な子だと手が止まる可能性。
- 内申対策
-
学力による。
自分でもある程度進められる子はコノ塾でもよい。5科勉強できるのでその中から複数内申が上がる科目が出る可能性もある。
逆に特定の1~2科目を「2」→「3」にしたければ東京個別指導のほうが基礎から教えてもらえる。
- 受験対策
-
公立中堅~上位志望ならコノ塾。5科目バランスよく勉強できる。
公立トップ校や私立上位難関校なら東京個別指導学院。ハイレベルな問題に特化した指導が期待できる。
ただし、費用・授業時間・カリキュラム等を総合的に考えると本来的には個別塾は受験対策には向かず、集団塾のほうが効率効果が高い。
- 東京個別指導学院の注意点
-
授業の質は講師による。体験が必須。相性がよく、指導力もある講師に担当してもらえるかがカギ。講師1名に対して多くても生徒2名なので、内気な性格な子は東京個別のほうがいいかも知れない。
- コノ塾の注意点
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タブレットを使った映像授業が子どもに合うかがポイント。個別に質問等できるが、スタッフ1名に対して生徒は5人以上いるので細かい対応はあまり期待できない。自分から質問できる子は合う可能性がある。
東京個別指導学院
東京個別指導学院の情報
【基本指導形式】個別指導1:2
【対象学年】小1~高3/既卒
【授業時間】1コマ80分
【料金帯】やや高め
【特徴】ベネッセグループ
1:1 か1:2で選択。
東京個別指導学院(TKG)は、日本の大手教育企業であるベネッセグループの一員である 。
ベネッセグループ
ベネッセグループが持つ豊富な教育情報や入試データを活用できる。当然志望校の相談でもこのメリットが活かされる。
全てが直営教室
全てが直営教室でフランチャイズはない。ゆえに情報共有がなされやすく、一貫性があり均質で高水準のサービスを期待できる。
学習環境
内装にはコストをかけているように感じる。清潔感もあり、自習机もきれいという印象。環境がよいので子供も自習に行こうという気になる。設備費を取っているのにハード面の学習環境が悪い塾も多い中、これはTKGの良さ。
授業料
料金は生徒ごとに異なるが、他塾と比較して1:2でも高いと感じる。1:1はとっても高いと感じる。ここでは金額を提示しないので気になる方は問い合わせてみることを勧める。
講師の質のバラつき
他の個別塾同様講師の質にバラつきはどうしてもありこれは仕方がない面もあるが…授業料が高いだけにハズれ講師に当たってしまった場合の「高い授業料を払っているのに…」という失望度は他塾よりも大きいものになる。
入会金はなし。
テスト前は無料の対策授業がある。
駅近で安全な立地に教室がる場合が多い。
教材は自由。学校ワーク等の持ち込みも可。
競合とポジショニング
直接的な競合
TKGの価格帯は個別指導市場において中〜高価格帯に位置すると推察され、その分競合も多い。プレミアム価格帯では完全1対1指導と難関校受験に特化する高価格帯のTOMAS、トライグループの完全1:1型塾である個別指導のトライが挙げられる。中価格帯では、直営教室が多くかつ成績保証で集客する森塾、全国展開と「ほめる指導」を特徴とするナビ個別指導学院など。
差別化要因
TKGは、競争の激しい個別指導市場において、いくつかの独自の価値提案を通じて差別化を図ろうとしている。
- 個別最適化エンジン
TKGの提供価値の中核は、徹底した個別最適化にある。生徒一人ひとりの目標、学力、性格に合わせて「オーダーメイドカリキュラム」を作成し、「選べる担当の先生」制度によって相性の良い講師をマッチング、さらに「コーチング指導」を通じて生徒の内発的な動機付けを促す 。これは単なる1対1や1対2の指導形式を超えて、個々の生徒に最適化された学習を提供しようとする試みである。
- ベネッセ連携による進路指導
ベネッセグループの一員であるという事実は、TKGにとって強力な武器となり得る。「ベネッセグループの情報力」を背景とした「進路指導」や「受験戦略」の提案は、他の多くの個別指導塾にはない明確な差別化要因として訴求されている 。具体的には、全国規模の「進研模試」のデータなどを活用した、客観的なデータに基づく進路相談が可能である 。
- 品質インフラ
全教室を「直営」で運営することにより、サービス品質の一貫性を担保しようとしている 。また、学習に集中できる環境整備 や、体系化された講師の研修・サポート体制 も、品質を支えるインフラとして位置づけられている。
- 柔軟性とサポート体制: 当日でも可能な「無料振替」制度は、部活動や他の習い事で忙しい生徒にとって利便性が高い。また、授業外でも利用可能な「自習スペース」は、学習時間の確保と、場合によっては空いている講師への質問機会を提供し、付加価値となっている。
ポジショニング
市場におけるTKGのポジショニングは、価格と指導内容の両面で、プレミアム層(TOMAS)とバリュー層(森塾、ナビ)の中間に位置する。幅広い学力層とニーズに対応しつつ、個別最適化された質の高い指導と手厚いサポートを求める、価格感受性が中程度の層を主要ターゲットとしている。TKGは、特定のニッチに特化するのではなく、幅広いニーズに対応可能な個別最適化モデルを、比較的高めの価格帯で提供することで、市場の中間層からやや上位層を狙うポジションにある。バリュー層の塾よりも質の高いサービスを、プレミアム層の塾よりもやや手頃な価格(ただし依然高価)で提供しようとしている。
参考ページ:https://www.kobetsu.co.jp/
コノ塾
コノ塾の情報
【指導形式】タブレット学習
【対象学年】小1~高3/既卒
【授業時間】1コマ50分
【料金帯】低価格
【特徴】タブレット学習
基本はタブレットによる映像授業。疑問が生じたときは巡回スタッフによるサポート。サポート体制は”講師1名:多人数”で自立型(学習空間など)に近い。
50分授業
他塾と比べると集中力を保ちやすい授業時間。1コマが短い分、時間の融通が利きやすい。他の習い事や部活、送迎等でこれがメリットになるご家庭も多い。
管理
タブレットで進めるので進捗や出来不出来の管理と把握はされやすい。
料金
授業単価は安い。ゆえに5科目受講してもそれほど高額にならない。料金体系も明瞭で透明性がある。
テスト対策
テスト前は準拠ワークや学校ワークにも対応してくれる。
人的対応は自立学習型
少ないスタッフで多くの生徒対応をしている教室もある。生徒10名:講師1名とかになると内気な子は自分から質問できないという場面がある。
駐輪場がない
教室によっては塾生専用の駐輪場がないというところがある。気になる方は問い合わせ時に確認を。
“いわゆる個別指導”ではない
一般的な対面指導型個別指導塾とは一線を画すので合う合わないは他の塾以上に大きい。
- 個別指導塾というよりは「タブレット映像授業を利用した自立学習型塾」というのが当方のイメージ。映像授業で分からないものに対しては教室長やバイトスタッフが対応するが”個別指導”というイメージで行くと齟齬が生じる場合がある。
- タブレット学習が合う合わないは本塾選びの最大の要素。マッチすれば効率よく学習できる。
- 生徒はイヤホンをしているので教室内は静か。
- 授業単価が安いので講習料金も他塾と比べると安い。
- 勉強が苦手な子=ある程度自分で学び理解することが苦手な子には不向きかも知れない。反面、自分でゴリゴリ進められる子には効率的に学習できので合っている。
タブレット学習なので他塾以上に体験で合う・合わないを見極めるのが大事と思われる。
直接的な競合
コノ塾は、主に小学生高学年および中学生を対象とした「進学型」の個別指導塾として、競争の激しい教育市場で成長を続けている 。特にバイト講師の確保が難しくなりつつある塾業界において、バイトがいらないという点は運営側からすると大きなメリットとなる。
直接的な競合相手は「個別指導形式」で「小・中学生」を主たる対象とする学習塾になる。具体的には森塾やナビ個別指導学院、代々木個別指導学院などである。HPにも同業他社を強く意識したコンテンツを投稿している様子が伺える。広義にはタブレット学習にも含まれるのでスマイルゼミや進研ゼミチャレンジタッチも競合と言えるのだが、通塾型かつ対面式指導も行う塾なので本稿ではその他個別指導塾と比較していく。
差別化要因
コノ塾は、以下の点で競合と差別化を図っている。
- 「進学型個別指導」: 単なる補習や遅れを取り戻すための指導ではなく、高校受験に向けて積極的に学力を向上させることを目的としている 。これは、より高い目標を持つ生徒や家庭層に訴求するポジショニングである。ただし、東京都で言えば”都立TOP3″や”自校作成校”の実績が少なく感じられ、合格体験記で見られるのは旧学区の2~3番手校・偏差値55~60くらいの「共通問題を課す上位校」が多い。その意味で補習中心の塾や、TOMASのような最難関層のみをターゲットとする塾とは異なる。森塾やナビ個別指導学院も成績向上を謳うが、コノ塾の「進学型」というブランドイメージと「ワンランク上」というメッセージは、特定の意欲的な層に向けた独特なものだ。
- 主要5科目の包括的サポート:高校受験に必要な主要5科目を一貫して指導する体制を提供している 。これにより、保護者は複数の塾を掛け持ちする必要がなくなり、また単なる補習塾で終わるのではなく公立校入試をも視野に入れたサービスを可能にしている。 他の塾も複数教科を扱うことが多いが、コノ塾はプログラムの中核として「5科目フルカバー」を強調しており、「進学型」というポジショニングを強化する要素となっている。競合の中には、まず英数に注力するケースも多い。
- 明朗会計:月謝があらかじめ決まっており、志望校合格に必要なコマ数が含まれているため、予期せぬ追加費用が発生しないと謳っている。保護者にとっては、学習塾の費用に関する不透明感を軽減し予算計画を立てやすくしている。他塾も手頃な料金をアピールしているが 、コノ塾は「予測可能性」に焦点を当てている点で異なる。
- 50分授業:多くの競合が採用する80分授業とは異なる、短い授業時間を採用している。ウェブサイト上では、生徒の集中力が持続する時間として正当化されている 。より頻繁な指導や、1回の通塾で複数科目を集中して学習することを可能にするかもしれない。保護者がこれを「集中できて効率的」と捉えるか、「時間あたり単価で割高」と感じるかは、各家庭の価値観にもよろう。
ポジショニング:「進学型」という明確な目標設定、それを支える5科目対応とデータ活用(の主張)、そして「明朗会計」という安心感の提供(ただし一部曖昧さあり)を組み合わせた独自のポジションにいる。本来的には「タブレット学習+スタッフサポート」というのがコノ塾の独自性・差別化の最たるものであろうが、”タブレット学習”をそれほどHP上で打ち出しておらず、表面的には”個別指導塾”という立ち位置で宣伝集客を行い、市場におけるボリュームゾーンである成績的中~上位かつ公立高校志望層にアプローチしている。
スマイルゼミや進研ゼミチャレンジタッチであれば月額10,000円程度(コノ塾の1/3程度)で自宅にいながら好きな時間に好きな科目(実技科目も)を無制限に勉強できるのだが、通塾型にすることで、人の管理が入りかつ勉強しやすい(せざるを得ない)環境を求める家庭への訴求になっていると推察する。
参考サイト:https://conojuku.co/
以上、東京個別指導学院とコノ塾の比較でした。
いずれにしてもまずは体験授業に行かれてみることをおすすめします。
この記事を書いた人
当サイト管理人。塾業界歴30年で卒業生は2500名。集団塾教室長、個別指導塾教室長を歴任。学習塾や学校法人のWEBマーケティング活動にも携わっている。学習塾HPや学習塾集客用LINEビジネスの構築も得意。